どんな金融商品にも「最低出資額」があります。極端ですが出資者に1円で投資させてくれと言われましても、誰も幸せになりませんよね。
私募ファンドであるBMキャピタルは投資信託のようにCMを打つなど公で募集しているわけではありません。
顧客一人一人と相対することになるため少額では管理コストだけが嵩んでしまいます。
では、実際に最低出資額はいくらなのでしょうか?
出資を考える上では非常に重要なポイントであると思います。
私募ファンドの場合あまり情報が公に出ません。
しかし、筆者は出資者ですのでBMキャピタルの最低出資額について簡単にですが触れていきたいと思います。
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BMキャピタルの出資額はいくらから?
最初にズバッと答えてしまうと、BMキャピタルの最低出資額は1000万円です。
国内ヘッジファンドはまだまだ海外先進国のように盛んではなく、最低出資額を低めにして投資家を受け入れる体制をとっていると想像します。
とはいえヘッジファンドは私募ファンドであり、募集人数が定められているので、やはり数多くの出資者を受け入れることは難しいです。
また、最低出資金が高いのには、大きな理由があります。
BMキャピタルは投資した企業の大株主になり、企業に提言を行い能動的に株式価値を引き上げるアクティビストとしての活動を行っています。
このアクティビスト戦略を行うには多額の資金が必要になります。一方、ヘッジファンドの出資者は499人までと定められています。
そのため、1人あたりの出資金額を大きくする必要があるのです。
巷には50万円、100万円などで出資者を募るファンドもあるようです。
しかしそれはとにかく出資者を集めることを最優先としていることが理由だと思います。
筆者からすると私募ファンドで少額を集めることについて全く理解できません.
ファンド側は基本的に少ない出資者から大きめの金額で出資を受け入れる方が運営コストがかかりません。
しかし、過去に実績がないと富裕層に信頼され、資金を集めるのもまた困難です。
ある意味では、最低出資額の大きさが過去の実績への信頼を表すものとも取ることができます。
ただ、実際には1000万円未満でも相談によっては出資を受け入れてもらうことも可能とのことなので面談で聞いてみることをおすすめします。
海外ヘッジファンドの最低出資額は?
例えば欧米のヘッジファンドであれば最低出資額は非常に高いことが多いです。Forbsの記事では10万ドル〜200万ドル以上と幅があるとされています。
Minimum initial investment amounts for hedge funds range from $100,000 to upwards of $2 million. Hedge funds are not as liquid as stocks or bonds either and may only allow you to withdraw your money after you’ve been invested for a certain amount of time or during set times of the year.
200万ドルといえば2億円以上ですね。
世界一大きな、レイダリオ氏が運営するヘッジファンド、ブリッジウォーターに投資をしようと思えば、普通の個人レベルでは不可能です。
75億ドルからですから、日本円で1000億円程度です。
Bridgewater, founded in 1975 by Ray Dalio, the billionaire investor, generally requires that clients have at least $7.5 billion of investable assets in order to put money into the hedge fund.
つまりは、個人レベルではソフトバンクの孫正義氏、ユニクロの柳井正氏など日本の長者番付トップ10に入るような人達が利用するファンドということがよくわかります。
順位 | 名前 | 関連 | 年齢 | 資産額(10億$) | 資産額(兆円) |
1 | 柳井正 | ファーストリテイリング(ユニクロ) | 73 | 23.6 | 3.068 |
2 | 滝崎武光 | キーエンス | 77 | 21.6 | 2.808 |
3 | 孫正義 | ソフトバンク | 64 | 21.1 | 2.743 |
4 | 佐治信忠 | サントリー | 76 | 9.3 | 1.209 |
5 | 高原豪久 | ユニ・チャーム | 60 | 6.4 | 0.832 |
6 | 永守重信 | 日本電産 | 77 | 4.6 | 0.598 |
7 | 三木谷浩史 | 楽天 | 57 | 4.4 | 0.572 |
8 | 伊藤雅俊 | セブン&アイ | 98 | 4.35 | 0.566 |
9 | 毒島秀行 | 三共(SANKYO) | 69 | 4.2 | 0.546 |
10 | 野田順弘 | オービック | 83 | 3.5 | 0.455 |
約1000億円の出資をして集う投資家の中で最も出資額が低いとされるのです。アメリカのヘッジファンドへの投資は非常にハードルが高いですね。
ただ、ブリッジウォーターの最低出資額も、運用歴が何十年と積み重なり大きくなっていきました。
初期はヘッジファンドは欧米でも50万ドル〜100万ドル程度(5000万円〜1億円程度)が一般的です。
BMキャピタルは運用資産が100億円を超えたレベルであり、最も高いリターンが見込める規模ですよね。
ひふみ投信なども、過去は高いリターンを出していました。
しかし、カンブリア宮殿などで取り上げられ大人気ファンドとなった結果、規模が大きくなってしまい運用成績は年々悪化しています。
若い頃のヘッジファンドへ投資できる機会とは限られていますので、良いファンドを見つけた時は迅速に投資の検討をすることをおすすめします。
解約条件は?比較的短いロックアップ期間
出資をする際に重要なのは解約条件です。解約できる期間のことを「ロックアップ期間」と言います。
海外のヘッジファンドでは半年に1回、又は1年に1回となっています。しかし、BMキャピタルは四半期に1回全額又は一部を引き出すことができます。
実際、筆者も不動産の手付金のために一度泣く泣く引き出した経験があります。(その後すぐに再出資しましたが)
この解約条件は実は非常に重要です。実際には運用していないものの既存投資家に分配しているポンジスキームでは以下のような特徴があります。
✔︎ 解約できる金額に上限が設けられている
✔︎ 抽選で解約できるかが決定できる
解約に制限が設けられているようなファンドには投資をしないようにしましょう。
実際、筆者もBMキャピタルに投資する前に検討したファンドでは解約条件が怪しいものがありました。
そのあと、蒸発しており結果的にポンジスキームだったのです。
四半期毎に全額解約ができるBMキャピタルは安全度が高いといえるでしょう。
→ ポンジスキーム?BMキャピタルの運用スキームは怪しい?解散済み?詐欺の可能性の検証を含めて徹底解説!
BMキャピタルの手数料はどれくらいか?
一般的にファンドには管理手数料(ファンド運営費用を賄う)と成功報酬の2つが存在します。
BMキャピタルの場合は管理手数料が運用額に対して約5%程度、成功報酬は運用益に対して30-50%程度です。
管理手数料はどこのファンドを購入してもかかってくるものですが成功報酬はヘッジファンド特有の手数料です。
ヘッジファンドのファンドマネジャーは基本的に実力者でありこの「成功報酬」を求めてヘッジファンドで働いています。
例えば日本のアセットマネジメント会社などで運用を担当していても、それは実質サラリーマンです。
給料は成績に応じてほんの少し増えれば良いという給与体系になっています。
運用成績がそもそもボーナスにすら反映されない場合もあるくらいです。
安定した生活、プライベートを優先したいというサラリーマン思考であればアセットマネジメント会社で従業員をやっておけば良いでしょう。
しかし、そんな給与体系に嫌悪感を示し自分の実力で道を切り開いていきたいと考える人がヘッジファンドに転職しファンドマネジャーになるものです。
30年間マイナス運用なし、年率40%近くの運用リターンを叩き出すメダリオンファンドのファンドマネジャーであるシモンズが固定給で働きたいだなんて口に出すはずがありませんよね。
つまりヘッジファンドのファンドマネジャーは死に物狂いなのです。この相場への貪欲さこそが、投資家へのリターンに繋がるのです。
筆者自身も株式市場の過酷さは理解しているつもりです。
すでにかなりの年数を運用してきましたが、株式市場は気を抜くと一瞬で資金を刈り取られる場所です。
株式市場に夢を見ているのは初心者だけです。
本気で相場に向き合っている投資家からすれば、こんなにも残酷な場所はありません。現代の戦争が行われている場なのです。
そんなところに、サラリーマン意識で結果を出すことなど絶対に無理です。
彼らアセマネのファンドマネジャーは上司に怒られないように、周りのファンドとリターンの差がつかないかどうかを気にしているだけです。
顧客は出資者ではなく上司です。怒られなけれれば良いのです。
米国はまだクビになる可能性があるのでマシですよね。日本のアクティブ投信が結果を出せない根幹はここにあります。
甘ったれた意識で相場に勝てるはずがないんです。インデックスファンドに毎年のように劣後しているファンドが日本にはあまりにも多すぎます。
自分の報酬のためとはいえ、死に物狂いで相場に向き合い下落相場でもリターンを狙いに行くヘッジファンドに資金を預けるのは理にかなっています。
申し込み時にファンドマネジャーの経歴なども確認
面談時には実績や運用手法などを聞くことになると思いますが、ファンドマネジャーや運営メンバーの経歴もしっかり聞いておきましょう。
上記で金融機関で実力のある人が人生を賭けてヘッジファンドマネジャーに就任するといった話をしました。
これに関しては、そもそも経歴がピカピカな人であることがほとんどです。経歴も実績も大したことがないのに独立しているパターンもあります。
ファンドマネジャーについては詳細をしっかり聞いておきましょう。どの世界でも、やはり一流は経歴もついてくるものです。
夢物語に投資をするのではなく質実剛健として投資をしていきましょう。