大損した人続出!評判がひどいファンドラップ口座とは?儲かった人はいるのか?金融庁が纏めた運用実績ランキングを参考に徹底評価!

ファンドラップ

大損した人続出!評判がひどいファンドラップ口座とは?儲かった人はいるのか?金融庁が纏めた運用実績ランキングを参考に徹底評価!

資産運用の必要性・重要性の高まりを受け、多くの人が自身の資産の運用に取り組んでいます。

資産運用をするに当たって、金融商品は星の数ほどあります。

 

株式に直接投資をする人もいれば、投資信託を購入したり、保険を購入したり、中には定期預金で大事に現金を置いておくという人もいます。

 

最近では大手証券会社が頑張って営業をしている「ファンドラップ口座」が流行しているようです。

実際、2023年9時点でなんと15兆9000億円もの資産がファンドラップで運用されています。

2022年末では13兆9000億円だったことを考えると9ヶ月で2兆円も増えていますね。

 

ファンドラップの契約残高の推移

参照:金融庁

 

 

ファンドラップとは、基本的に「大手証券会社(若しくは銀行など金融機関)の担当者に資産運用を丸投げして全てお任せ」という種類の運用手法になります。

結論から言うと大手金融機関がとても儲かる商品となっています。投資家からは損して頭を抱えているという声が聞こえてきています。(本文で取り上げます。)

直近だと2024年6月に以下のような悲痛な書き込みが見られます。

 

ファンドラップの低い成績にひどいと嘆く口コミ

参照:Yahoo掲示板

 

今回の記事では、同じく証券会社や銀行の収益の柱となっている「投資信託」との違いなどを含めて以下の点を解説していきたいと思います。

 

今回のポイント

  • ファンドラップとは?
  • ファンドラップの契約残高が伸びている理由
  • ファンドラップの運用実績
  • ファンドラップの成績が落ち込んでいる理由
  • ファンドラップのデメリットを克服する方法

 

ファンドラップの評判や口コミ!ひどいリターンに頭を悩ましている方が多数!?

ファンドラップについては後で成績をお伝えするとご理解できるかと思いますが、損失を抱えて悩んでいる方が数多く散見されます。

例えば以下のYahoo知恵袋の投稿ですね。

ファンドラップの損失に頭を抱えている方の口コミ

参照:Yahoo知恵袋

 

 

Yahooファイナンスの方にも同様に悲痛な投稿が投げられています。

 

ファンドラップへの投資で損失を抱えて悩んでいる方のYahoo financeへの投稿

Yahoo finance

 

また他にも日経新聞の記事でも取り上げられていました。公式メディアにも取り上げられるくらいなのでかなり多くの方から悪い評判が寄せられていることが想定されます。

 

【相談内容】大手商社に長年勤めていたIさんは、8年前に定年でリタイアし、退職金で資産運用を始めた。最初は証券会社の営業マンにすすめられた投信をいくつか買っていたが、2年前に運用を一括で任せられるラップ口座でファンドラップを契約した。手間は減ったものの、運用成績がパッとしない。コロナショックもあって今後の生活資金に不安を感じている。

 

同じような想いをされている方が相当数いらっしゃるのではないでしょうか?

 

そもそもファンドラップとは?

ファンドラップとは

 

ファンドラップの語源はファンド(資金を預かり運用する組織体)とラップ(包む、いくつかの投信を組み合わせ運用)から来ています。

三井住友銀行の説明では以下の通りとなっています。

 

ファンドラップとは、お客さまの資産運用の考え方等をもとに、複数のファンドを組み合わせた資産配分をご提案し、それに基づき運用、管理を行うサービスです。

参照:三井住友銀行

 

つまりは、証券会社が個人の投資家の代わりに運用を一任できるというサービスです。

 

ファンドラップと投資信託の違い

ファンドラップと投資信託の大きな違いとしては証券会社がその個人投資家のライフプランや目指したい運用リターンに合わせて投資計画をアレンジしてくれる点です。

投資信託を購入する場合、自身の目利きが必要になります。

 

しかし、ファンドラップは証券会社の担当者が複数の投資信託を組み合わせて購入してくれます。

 

まさにオーダーメードの運用ということですね。

 

その担当者が投資のプロなのかどうかは置いておいて、資産運用を始めたいが右も左もわからないという方には良いサービスなのかもしれません。

手数料は投資信託も高いですが、ファンドラップはオーダーメードになりますので更に高いです。

 

ファンドラップはファンドラップフィーと信託報酬で2重の手数料が徴収される

投資信託に投資する場合は保有している時に毎日発生する信託報酬が発生します。

信託報酬は投資信託によりますが概ね0.5%-2.5%の水準です。

 

一方、ファンドラップの場合は、まずファンドラップフィーという所謂相談料が毎年発生します。

プロにポートフォリオを提案してもらい管理してもらうのに掛かる費用ということです。会社によってちがいますが1年間で1%-2%の水準となります。

更に組み入れた投資信託の信託報酬もかかってきます。

 

つまり、ファンドラップフィーと信託手数料で3%-4%の手数料が発生します。

手数料収入や金利収入が少なくなっている金融機関の肝いりで収入を獲得しようという試みが見て取れますね。

以下は2022年末時点の残高の順位です。

 

残高(億円)
ダイワファンドラップ 980
楽ラップ 714
Mizuho Fund Wrap 2,700
ON COMPASS 123
野村SMA 13,848
野村ファンドラップ 17,537
ダイワファンドラップ 26,899
SMBCファンドラップ 6,512
ウエルス・スクエア・ファンドラップ 1,398
日興ファンドラップ 18,987
水戸ファンドラップ 999
みずほファンドラップ 1,355
三井住友信託ファンドラップ 8,296
いちよしファンドラップ ・ドリーム・コレクション 1,663
ダイワSMA 964
MUFGファンドラップ 4,868
東海東京ファンドラップ 1,383
ON COMPASS+ 203
ダイワファンドラップ オンライン 253
りそなファンドラップ 7,337
アイザワファンドラップ 556
GRAN GOAL 2,114
楽天IFAラップ 678
フィデリティ・ザ・ファンドラップ y 27
SUSTENロボアド 21
合計残高 120,415(約12兆円)

 

ファンドラップはパターンオーダー

ただ、ファンドラップは完全なオーダーメイドで運用されているわけではありません。

以下はダイワファンドラップですが各プランでリスク水準を5種類から7種類で用意しているとしています。

つまり、プランは5個から7個となっています。

ファンドラップはパターンオーダー

 

イメージとしては洋服の青山にいってパターンオーダーのスーツを選ぶといった具合ですね。

 

金融庁が公表する最新版ファンドラップの運用実績!大損しているものもある!?

一番気になるのはやはりリターンですよね。

預けてマイナスにされてしまい、高い手数料を払わされては寄付をしているのと変わりません。(ほとんどの投資信託を購入することは寄付であることは置いておいて)

 

基本的にファンドラップの運用リターンについては、個人に合わせたオーダーメードであるため測るのは難しいです。

ただ、金融庁から以下の通り公表されたものもあります。

以下のデータは2022年末までのものなので過去3年というのは2020年から2022年の3年間、過去5年というのは2018年から2022年の5年間となります。

 

過去5年(2018-2022年末) 過去3年(2020-2022年末)
シャープレシオ 年率リターン シャープレシオ 年率リターン
楽ラップ 0.23 2.0% 0.16 1.5%
ダイアファンドラップ 0.22 1.8% 0.26 2.4%
三井住友信託ファンドラップ (SMA) 0.20 1.6% 0.24 2.1%
いちよしファンドラップ 0.16 1.5% 0.22 2.1%
水戸ファンドラップ 0.17 1.2% 0.3 2.5%
野村SMA (エグゼクティブラップ゚) 0.17 1.2% 0.14 1.2%
日興ファンドラップ 0.13 1.1% 0.24 2.3%
アイザワファンドラップ 0.14 1.1% 0.15 1.4%
SMBCファンドラプ 0.14 1.0% 0.21 1.7%
ダイワファンドラッププレミアム 0.12 1.0% 0.12 1.1%
野村ファンドラップ 0.12 0.9% 0.12 1.1%
Mizuho Fund Wrap 0.12 0.9% 0.07 0.6%
みずほファンドラップ 0.10 0.7% 0.1 0.8%
ウェルススクエアファンドラップ 0.09 0.5% 0.06 0.4%
りそなファンドラップ ▲ 0.18 ▲ 0.9% ▲ 0.37 ▲ 2.2%
MUFGファンドラップ ▲ 0.57 ▲ 2.3% ▲ 0.68 ▲ 3.3%
東海東京ファンドラップ ▲ 0.49 ▲ 2.4% ▲ 0.83 ▲ 4.6%
ダイワSMA ▲ 0.52 ▲ 3.7% ▲ 0.34 ▲ 2.7%
平均 0.04 0.48% 0.17 1.51%
eMAXISバランス
(8資産均等)
0.41 3.90%
eMAXIS Slim
全世界株式
0.38 4.80%

 

上記のリターンはリターンからファンドラップフィーと信託報酬を差し引いたものです。

可能な限り長い期間での成績を見ることが商品の実力を測るには重要ですので、5年間のリターンを見ていきます。

わかりやすく図解したものが以下となります。

 

ファンドラップと全世界株式とバランスファンドの比較

 

なんと5年間で最も年率リターンが高いのは楽ラップの2%です。かなり壊滅的ですね。平均すると年率0.48%というひどい成績になっています。

ちなみに先進国株は2020〜2021年はバブル相場でした。

その相場を経験した上で2%がトップパフォーマンスになるのは、ファンドラップという商品自体を見直しする必要があると思います。

 

現在2023年の5月ですが2022年のリターンについて示唆するデータも日経新聞から出てきています。以下はファンドラップの運用損益がプラスのファンドラップ の比率です。

2020年と2021年にバブル相場が到来したおかげで2021年末時点では三菱UFGファンドラップ以外では殆どの人が利益が出ている状態となっていました。

 

販売会社 2022年 2021年 2020年
三井住友信託銀行 98.0% 97.0% 8.0%
大和証券 97.8% 99.6% 18.9%
野村證券 94.0% 100.0% 16.0%
SMBC日興証券 94.0% 99.0% 6.0%
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 86.0% 96.0% 18.0%
りそな銀行 81.0% 98.0% 19.2%
みずほ証券 48.0% 87.0% 5.0%
三菱UFJ信託銀行 20.0% 45.0% 22.0%
単純平均 77.4% 90.2% 14.1%

 

ただ、2022年には利益がでている人の比率が減少していますね。つまり多くのファンドラップでマイナスリターンだということになります。

2022年は2020年から2021年の中央銀行と政府のバラマキによって世界中でインフレが発生しました。

そのため欧米の中央銀行を中心に金利を引き上げてインフレ抑制に動き、債券価格が下落し、更に金利上昇によるバリュエーションの低下で株価も下落していきました。

このような債券も株価も下落していくような局面では債券と株式に主に分散しているファンドラップも下落していくのは致し方ないですね。

 

こういう時にこそ、いかなる環境でもリターンが狙えるヘッジファンドという選択肢が魅力的になってきます。

ヘッジファンドはいかなる環境でもプラスのリターンを目指すファンド形式ですからね。以下の通り安定した高いリターンを残しています。

 

ヘッジファンドは暴落局面を回避しながら安定して高いリターンを叩き出している

ファンドラップの中にはヘッジファンドにも投資しているものがありますが、ファンドラップが投資をしているのはヘッジファンド型の投資信託です。

ヘッジファンド型の投資信託は以下の通り、残念ながらマイナスリターンのものが多くなっています。

 

ヘッジファンド型投資信託のリターン

ラップ口座・商品名 組み入れ対象ファンド名(一部略称) 設定年月 年率リターン
(手数料控除後)
ダイワファンドラップ プレミアム 厳選株ファンド・H(ダイワ投資一任専用) 18/04 1.55%
BR・アメリカ大陸LS・F(ダイワ投資一任) 16/09 -0.07%
JPMオルタナティブ戦略(ダイワ投資一任) 16/09 -2.37%
企業価値フォーカス・F・ヘッジ型(投資一任) 18/04 -3.01%
野村SMA (エグゼクティブ・ラップ) ノムラスマートプレミアム(SMA・EW向) 15/04 2.38%
グローバル・アセット・モデル(SMA・EW) 15/04 -0.82%
ブルーベイ・トータルリターン(SMA・EW) 15/04 0.09%
野村ファンドラップ 野村ファンドラップオルタナティブプレミア 16/10 -1.90%
ダイワファンドラップ ダイワFW ヘッジファンドセレクト 07/11 -0.94%
SMBCファンドラップ SMBCファンドラップ・ヘッジファンド 07/02 -2.34%
ウエルス・スクエア ファンドラップ FW(ウエルス・スクエア)オルタナティブ 16/10 -2.58%
みずほファンドラップ グローバル・マクロ戦略(ラップ) 15/11 -2.44%
三井住友信託ファンドラップ (SMA) ヘッジF SMTBセレクション(SMA) 17/01 -2.36%
ピクテ マルチストラテジー リンク(SMA) 16/01 -0.01%
Diversified リンクF(SMA) 20/12 -0.09%
ノムラ日本株ベータH戦略F(SMA専用) 19/10 -5.08%
米国株式LSファンド(SMA専用) 17/10 -2.49%
コモディティLSアルファF(SMA専用) 19/07 6.66%
ブルーベイクレジットLSファンド(SMA) 14/07 0.93%
SuMi TRUST/SMARS(SMA) 16/01 0.40%
米株イントラデイ・トレンド戦略F(SMA) 20/10 -14.11%
UBS合併裁定戦略ファンド(SMA専用) 19/10 0.43%
ダイワSMA 日本株・バリュー発掘F・ヘッジ(SMA専用) 12/09 -0.64%
MUFGファンドラップ ヘッジファンドセレクション(ラップ向け) 17/03 -0.88%
MUFGファンドラップ 先進国ロング・ショート戦略F(ラップ向け) 20/03 -2.39%
MUFGファンドラップ 日本株プライムニュートラル・F(ラップ向) 05/12 -2.14%
東海東京ファンドラップ AR国内バリュー株式F(ファンドラップ) 19/01 2.02%
平均 -1.19%

 

ヘッジファンド型の投資信託はあくまで投資信託であってサラリーマンファンドマネージャーによって運営されています。

独立型のヘッジファンドは、大手外資系証券会社で才覚あるファンドマネジャーが更なる高みを目指して独立し運営している会社になります。

相場に対する真剣度合いが一般の投信とは全く異なります。

以下では筆者が投資をしているものを含めてヘッジファンドの特徴を有したファンドをランキング形式でお伝えしていますのでご覧いただければと思います。

 

 

 

ちなみに2020年末までのデータでみてもバランス型の投信に殆どのファンドラップが負けってしまっています。以下がデータです。

朝日新聞の調査ではファンドラップ12社の成績平均は、債券と株式を組み合わせた単純なバランス型の投信を下回る結果となっています。

 

ファンドラップの低いリターン

 

正直ファンドラップで大きく資産を増やすということを期待しない方がよいというのが筆者の意見です。

ファンドラップよりも本物のプロに任せながら安定した10%以上のリターンを出す投資先について知りたいという方はジャンプ(クリック)してください。

 

ファンドラップの弱点とは?

ファンドラップは株、債券、不動産などに分散投資を行なって運用します。

顧客のリスク許容度に応じて債券の比率を高めたり、株式の比率を高めたりします。

 

株式が下落するも債券は上昇するというような局面であればリスクヘッジが効くことになります。

しかし、株も債券も不動産も同時に下落する局面があります。そして、その最悪の状況が現在まさに世界で発生しています。

 

欧米をはじめとして1970年代以来の高インフレが発生しています。日本でも近年にないインフレが発生していますが欧米の比ではありません。

以下は米国のインフレ率の推移です。

米国のインフレの内訳

 

 

インフレが発生すると国民生活が困窮するので欧米の中央銀行は金利を引き上げて経済を冷ましてインフレを抑えようと躍起になっています。

政策金利をあげると市中金利が上昇していきます。市中金利が上昇すると債券価格は下落していきます。

 

そして金利が上昇すると債券の魅力がたかまるので株式の魅力が相対的に下落します。

ほぼ安全な国債を保有しているだけで4%近い金利がもらえるならリスクをとって株式投資をする動機が薄れますからね。

更に当然、ローン金利も上昇するので不動産の魅力がさがり不動産価格も下落していきます。

 

つまり、「株式」「債券」「不動産」の全てが下落していくという状態になっているのです。

このような局面では各資産に分散したとしてもファンドラップの基準価額は下落していきます。

さきほどの成績は2021年までのデータなので2022年を含めた最新版が出た時に大きな下落が記録されていることが想定されます。

 

このような局面で魅力的な選択肢となるのが、これらの伝統的な資産と異なった動きをするオルタナティブ資産です。

オルタナティブ資産とはヘッジファンドやPEファンドのように相場と関係なくリターンを狙うファンドなどを指します。

この点については後述(ジャンプ)します。

 

ファンドラップのSNSでの評判や口コミ

ファンドラップは個人に沿った投資計画を作り運用するというものなので評判はなかなか表には出てきません。一応見つかったのは以下のようなものです。

 

 

因みに野菜マンというのは野村證券マンということの隠語です。

野村證券は野菜証券といわれていますからね。

 

野菜証券(野菜證券)は、2012年6月の野村ホールディングスの株主総会の招集通知の第3号議案(株主提案)に記載されていた用語をいいます。

日本において、異例の株主提案(トンデモ議案)の一つとして知られ、ある個人株主が、野村ホールディングスの商号を「野菜ホールディングス」に改名せよと提案し、当時、大きな反響(物議)を呼んだものです。

参照:iFinance

 

話がそれましたね。すいません。他のファンドラップの評判についても見ていきましょう。

 

 

 

 

 

上記で見てきた通り評判は良くないですね。

正直、筆者も親がファンドラップをしているとしたら即解約させると思います。

 

金融庁が問題視する証券会社のビジネスモデルの転換の話

今ではファンドラップは証券会社のコアビジネスになっています。

とても儲かるのだと思います。ファンドラップビジネスは事業として、高い手数料をとるビジネスとしてとても優秀です。

以下は日経新聞の記述です。

国内の主なファンドラップの費用は年間で最大3%近くにのぼるといわれています。一般的に「ファンドラップ・フィー」と呼ばれる直接費用に加え、運用商品自体に掛かる間接費用が別途発生する料金体系になっています。

 

例えば年間保有コストが3%のファンドラップを1000万円契約すると、年間で約30万円、10年間で約300万円の費用がかかる計算になります。仮に内外の株式や債券を組み合わせた資産配分で期待リターン3%程度のポートフォリオを組んだ場合、ファンドラップの保有コストでリターンがほとんど吹き飛んでしまうのです。

 

そもそも証券会社のビジネスモデルとはどのようなものでしたでしょうか?

  • 株式の売買手数料
  • 投資信託の販売手数料、信託報酬

の2つがメインでした。

 

株式の売買手数料は、「証券マン」の言葉があるように、証券会社の社員が資産家や一般の株を購入したい人に株式売買を一任されその売買にかかる手数料で儲けるビジネスです。

投資信託に関しては、ファンドを組成し、窓口などでお客様に商品を紹介し、販売手数料、運用にかかる信託報酬を徴収するというビジネスモデルです。

 

筆者は多くの投資信託を分析してきましたので、投資信託を販売している会社はとても儲かるのだなと実感しています。

 

 

しかし、昨今はインターネット証券の台頭により、個人で株や投信を売買することがとても簡単になりました。

これはつまり、個人投資家が証券会社を介することなく金融商品を売買するようになったということです。(そもそも証券会社の助言は必要なかった、ということも感じさせます)

 

このままでは証券会社の未来は明るくなく、ビジネスモデルを模索する必要があります。

ネット証券にも当然のように参入していますが、すでに持っている強み、つまり「店舗」を活かす方法を模索した結果「ファンドラップ」にたどり着いたということです。

 

ファンドラップは上記で説明した通り、投資家は大手証券会社に投資を一任し、投資計画を一緒に作り、運用していく、相続などのサポートもあり、というものです。

これは非常にビジネスとしてさすがだなという点があり、個人投資家のライフプランに合わせて投資計画を作成するということです。

 

投資信託やヘッジファンドなどでは「運用リターン」が明確に求められます。

しかし、ファンドラップは個人に寄り添っているので、一貫した成績がありません。

つまり運用リターンを公表する必要もなく、大手証券会社がその会社のブランドを元に、営業をするだけで、顧客数を増やし高額な手数料を受け取れば完結します。

 

悪い評判も立ちにくいです。なぜなら明確な指標がないからです。この点については金融庁も指摘しています。

ざっくりとした図で解説しているだけで全く目標を明確化していないからです。

 

ファンドラップは目標が不明確

参照:金融庁

 

基本的に証券会社のファンドラップの担当者などは、運用のプロフェッショナルではありません。

会社でしっかり教育された営業のプロフェッショナルです。

 

個人のお客様が、対面を重ね、丁寧に対応してもらうことがファンドラップの肝なのでしょう。

実際のリターンが意向に沿ったものでなくても、クレームや解約は発生しにくい仕組みなのではないかと想像します(手数料は高いですが)。

 

ファンドラップのメリットとデメリット

それではメリット・デメリットを見ていきましょう。

 

メリット

最大のメリットは、証券会社に資産の運用を丸投げできるということでしょう。

例えばまだサラリーマンで働いていたり、事業経営をしていたりして忙しい人は、資産運用に時間を割くことができない人も多いでしょう。

 

しかし大手証券会社に頼めば、資産運用だけではなく、相続の相談など、スムーズにライフイベントを進めることができます。

 

デメリット

手数料です。非常に手数料が高いです。

例えば普通に投資信託を購入すると、アクティブ型の投資信託であれば購入に3.2%程度、信託報酬に0.8-1.8%程度がかかってきます。

インデックス投信は購入手数料が0%、信託報酬に0.1%程度がかかってきます。

 

例えば野村証券のファンドラップであれば、一番契約額が少ないコースでも以下の通りです。

 

野村ファンドラップの料金とリスク

野村ファンドラップの料金は、投資一任受任料とファンドラップ手数料の合計額となります。投資一任受任料は固定報酬制と実績報酬併用制があり、固定報酬制では最大で運用資産の0.418%(税込み・年率)、実績報酬併用制では最大で運用資産の0.209%(税込み・年率)+運用益の積み上げ額の11.0%(税込み)となります。ファンドラップ手数料は最大で運用資産の1.320%(税込み・年率)となります。このほかに投資信託では運用管理費用(信託報酬)(最大で信託財産の1.35%±0.70%(概算)(税込み・年率))、信託財産留保額(最大で信託財産の0.5%)、その他費用をご負担いただきます。その他費用は運用状況等により変動するため、事前に上限額等を示すことができません。また、投資一任契約に基づく投資信託への投資は、投資信託の基準価額等が変動しますので損失が生じるおそれがあります。詳しくは、お客様向け資料、契約締結前交付書面及び目論見書をよくお読みください。

参照元:https://www.nomura.co.jp/retail/wrap/fundwrap/

 

ポイント

  • 運用資産の0.418%(税込み・年率)
  • 実績報酬併用制では最大で運用資産の0.209%(税込み・年率)+運用益の積み上げ額の11.0%(税込み)
  • ファンドラップ手数料は最大で運用資産の1.320%(税込み・年率)
  • 運用管理費用(信託報酬)(最大で信託財産の1.35%±0.70%(概算)(税込み・年率))

 

非常にわかりやすいですが、資産に対して年率3%程度の手数料が最低でもかかると考えても良いでしょう。

1000万円預ければ毎年30万円前後ですね。それ以上のリターンを生んでくれる運用をしてくれるのであれば、という感じですね。

 

また、上記でメリットに運用を大手証券会社に丸投げできる、と書きましたが、これは実は非常に危険な考え方です。

どんな人でも、今の時代はマネーリテラシーが求められます。自分の大事な資産を守るには、自分しか味方がいないのです。

 

たしかに大手証券会社は信頼できるかもしれませんが、証券会社も「ビジネス」を行なっています。

自社の業績が伸びなければ、ラップ口座で集めた「顧客資産」を活用して収益を伸ばすことを考えます。

これはつまり、手数料が高いプランへとどんどん誘導していく可能性があるのです。これは、もちろん個人投資家が割り勘負けしてしまうような仕組みなのです。

 

当然、証券会社の担当者は、顧客第一に守ることを前提としているのは当然です。

しかし、事業経営はそうはいってられない場面もありますし、他社競合に勝たなければならない状況になってくると、顧客より会社の業績が優先されてしまう可能性も無きにしも非ずです。

 

このような状況で、おすすめされる商品が「おかしい」と気づける知識が必要です。

 

ファンドラップはおすすめしない!投資信託はどう?

資産を自分で増やすのであれば、間違いなく株式投資一択です。

株式投資の優位性はこのブログでも散々説明してきましたが、その根拠となるのは以下のグラフです。

資産別リターンの歴史

 

株式投資が他資産を大きく上回っています。

株式投資のリターンが6.6%、長期国債3.6%、短期国債2.7%、ゴールド(金)0.7%、現金(USD)-1.4%。

 

非常に優秀な結果を残しており、この流れはしばらく続くものと考えられます。

特に今は日本、米国共に低金利政策が取られており、株式に資金が集まる環境が整っています。

 

ファンドラップを通して、大手証券会社の担当者が株式で運用する投資信託を購入するのであれば、ファンドマネジャーが敏腕であればしっかりとしたリターンが見込めるでしょう。

また、個人で株式ファンド(投資信託)を購入しても良いでしょう。

 

上記でも少し触れましたが、投資信託にはインデックスファンドとアクティブファンドがあります。

インデックスファンドとアクティブファンドのどちらを買うべきかというと、それはインデックスファンドです。

 

アクティブファンドは株価指数に連動することを目的としたインデックスファンドとは異なり、ファンドマネジャーの手腕が問われます。

しかし、この5年、十分な成績を残せていません。手数料がインデックスファンドより高いのに、成績が劣後しているのです。

 

アクティブファンドよりインデックスファンドの方が優秀な成績

参照:金融庁

 

5年累計でインデックスファンドは22.6%です。年率では4.15%です。

アクティブファンドは、9.7%、年率1.84%です。

 

インデックスファンドを購入するのであれば、米国のS&P500が良いでしょう。

安定的なリターンを享受できる可能性が、この過去の歴史を振り返っても高いです。

 

度々の暴落を経験してきたS&P500指数

 

しかし、20年、30年スパンで考える投資になることは頭に入れておきましょう。実際、上記をご覧いただければわかるとおりインデックスは度々大きな暴落を経験しています。

インデックス投資で資産を築くコツはとにかく売らないということです。

20年、30年スパンで必ずどこかでプラスになるはずです。(ただ、暴落を被弾しながら長期で保有するのは考えているより難しいものです。)

 

そして、2020年からのパンデミック後の金融緩和で株価が急騰したことでインデックス投資がブームを迎えました。

しかし、これは非常に危険な兆候です。前回インデックスがブームを迎えたのは1990年代後半です。その後の推移は以下となります。

 

インデックス投資はブームの後は軟調に推移する

 

現在盛り上がる時というのは実態に比して株価が急騰している場合が殆どです。

2010年代の各中央銀行の大規模な金融緩和によって株価は急激に上昇してきました。

 

2022年以降、金融緩和の副作用により、米国を中心としてインフレが発生しておりFRBをはじめとした中央銀行は引き締めに転じています。

長らくゼロ金利を維持してきた日銀も2024年7月に利上げサイクルに入りました。

 

ここからはインフレと金融引き締めの影響で景気後退が発生して企業収益が下落する可能性が高まっています。

実際、2024年12月時点でリセッションに入っている確率は60%を超えています。これはリーマンショック時の確率を凌駕するレベルです。

 

非常に高くなっているリセッション確率

 

正直、ここからは結構厳しい展開が継続することが見込まれます。更に日本人投資家にとって重要になってくるのが為替問題です。

 

現在、137円となっているドル円レート。ここからは景気後退を見込んで円高に振れる可能性が高くなっています。

円高となるとインデックス投資の円建のリターンは下落します。重い株価と円高リスクでリスクが高くなっているのです。

 

安定して高いリターンを狙うのであればヘッジファンドもおすすめ

ヘッジファンドであれば、毎年10%以上のリターンをもたらすファンドが日本国内にも存在します。

ヘッジファンドとは「絶対収益型」のファンドです。

 

投資信託とは異なり、ヘッジファンドは「私募ファンド」ですのでなかなか公に情報が出てきません。

ヘッジファンドは機関投資家、富裕層、ハーバード大学やイェール大学など一流基金もポートフォリオに入れるタイプの、オルタナティブ投資として認知されています。

 

ハーバード大の年金基金のポートフォリオに占める高いオルタナティブ投資の比率

 

ヘッジファンドの特徴としては、手数料体系に大きく投資信託とラップ口座と違いがあります。

ヘッジファンドマネジャーが高額な報酬を得ている、という話やニュースを聞いたことがないでしょうか?

 

ヘッジファンドに投資をした投資家は、ファンドに運用を任せるにあたり、購入手数料などありますが、一番メインの手数料は「成功報酬」です。

 

ヘッジファンドのファンドマネジャーはこの「成功報酬」をモチベーションにして相場に向かいます。

基本的に、この成功報酬を目的に投資信託などで優秀な成績を収めていたようなファンドマネジャーは独立し、ヘッジファンドを立ち上げることが多いです。

 

この成功報酬、運用リターンがプラスにならなければ、ファンドマネジャー本人の生活水準に大きく関わりますし、ヘッジファンドの運用で失敗をしたという話は、金融業界では瞬く間に広がるものです。

 

つまり、鬼気迫る思いで相場に取り組んでいるのが普通で、その執念で高いリターンをヘッジファンドは叩き出しています。

投資信託と大きく異なるのはこの点で、投信には成功報酬という概念がありません。

つまり、運用リターンがどうなろうと、ファンドマネジャーはボーナスの金額が少し増えるか減るかの世界であり生活は保障されています。

 

サラリーマン投資家であり、プロの投資家が犇めきあう相場でアクティブ型投信が結果を出せないのはそのせいなのではないかと私個人は思っています。

ヘッジファンドは運用リターンが高く、上記で紹介したS&P500を上回るリターンを出しているというデータもあります。

市場環境に影響をうけず高いリターンを叩きだすヘッジファンド

 

世界株式全体の成績に関しては大きく凌駕する成績を収めています。

またそのリターンの高さから、年々ヘッジファンドの資産残高は上昇しています。機関投資家や富裕層個人投資家より資金が集まっていることがよくわかります。

 

ヘッジファンド全体の運用残高

 

日本でヘッジファンドに投資は可能なのか?

ヘッジファンドは欧米ではメジャーですが、日本ではまだ個人投資家には知名度が大きくありません。

欧米にはヘッジファンドが多々ありますが、個人投資家として英語で問い合わせ、そして海外で信頼のおけるヘッジファンドを探すというのはかなりハードルが高いでしょう。

海外に駐在している人であれば、海外ヘッジファンドにアクセスできるかもしれません。

 

国内であれば、以下の記事で私が運用している先やヘッジファンドを選ぶポイントも合わせて記載していますので参考になさってください。

欧米は最低出資額が1億円を超える場合が多いですが、国内は1000万円程度が多いようです。

 

ヘッジファンドもファンドラップと同様、運用を丸投げすることおができます。

ヘッジファンドによってはその四半期報告書など運用成績やその考察などが記載されたレポートが配布されるのでプロの思考を学べるファンドも存在しています。

勉強になる内容があるヘッジファンドも存在しますので、その点も含めて出資先を選ぶと良いかと思います。

 

以下では筆者が実際投資しているBMキャピタルというヘッジファンドについてお伝えしていますのでご覧いただければと思います。

BMキャピタルは運用開始後12年間1度もマイナスリターンをださずに安定して年利10%のリターンを叩き出しています。

 

BMキャピタル

BMキャピタルの概要

 

BMキャピタルの公式ページ

 

更に詳しい情報はこちらをご覧ください。

 

まとめ

今回はファンドラップとは何か、証券会社がファンドラップに参入した理由やラップ口座を活用するメリット・デメリットについて紹介してきました。

金融商品は星の数ほど存在しますが、公に宣伝されているものほど、手数料を目的としたビジネスであることがほとんどです。

自身の資産を守り育てられるような投資先をしっかり探し、将来への資産形成を進めていきましょう。

終わりに:下落を回避して安定的に高い利回りで資産形成する方法

 

 

「資産を他の人よりも大きく増やすためには?」

一部の人は、上場小型ベンチャー株に全力投資し、株価の急騰を狙ったり、信用取引でレバレッジをかけることを考えるかもしれません。

あるいは、仮想通貨の草コインに投資して、一発逆転を夢見ることもあるでしょう。しかし、こうしたアプローチでは一生資産を増やすことはできません。

 

むしろ、大きな損失を被るリスクが高いのです。短期的な大儲けを狙うことは、同時に大きな損失を招く可能性があり、それは投資というよりもギャンブルに近いものです。

資産運用において最も重要なのは、「小さなリターンでも確実にプラスを積み重ねる」ことです。時間をかけて複利の力を活かすことが、安定した資産増加の鍵となります。

世界一の投資家と称されるウォーレン・バフェット氏も、以下の2つのルールを最も重要としています。

 

ルール1. 絶対にお金を損しないこと。

ルール2. 絶対にルール1を忘れないこと。

 

「損をしない」「プラスリターンを確実に積み重ねる」という考え方が、資産運用の基本です。「クラシック」かつ「質実剛健」な資産運用を心掛けましょう。

私も長年にわたり資産運用を続けてきましたが、この哲学に基づいた投資を実践するようになってから、資産の増加スピードは驚くべきものとなりました。

このアプローチを採用しているファンドをいくつかまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。

 

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