【ブログ更新】今後は危ない?ほったらかしで良いと評判のセゾン投信「セゾン資産形成の達人ファンド」はおすすめしない?筆者が投資をやめた理由をS&P500指数との比較なども踏まえて徹底評価!

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【ブログ更新】今後は危ない?ほったらかしで良いと評判のセゾン投信「セゾン資産形成の達人ファンド」はおすすめしない?筆者が投資をやめた理由をS&P500指数との比較なども踏まえて徹底評価!

セゾン投信は「ひふみ投信」や「さわかみ投信」と並んで日本の有望な独立系の投資信託です。

セゾン投信と一言にいっても以下の二つの投信が存在しています。

 

2つのセゾン投信

  • セゾン資産形成の達人ファンド
  • セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド

 

本日は、セゾン投信の中でも評判の高い「セゾン資産形成の達人ファンド」について取り上げていきたいと思います。

純資産額は上昇し、運用資産残高は3,000億円にまで膨れ上がっています。

セゾン資産形成の達人ファンドの基準価額の推移

 

 

しかし、2025年以降は正直申し上げて、今までの成績が良くなってきているからといって、セゾン資産形成の達人ファンドに投資をするのは危険な環境になっています。

2024年に入り、今後も筆者としてはセゾン資産形成の達人ファンドに投資するという選択肢はありません。なぜならさらに良い投資先は存在するからです。

 

本日は達人ファンドの特徴についてお伝えした上で、成績や実績そして重要な今後の見通しについて他の株価指数と比較しながら筆者が投資をしない理由について説明していきたいと思います。

最初の特徴については読み飛ばして本題のリターンから読みたいという方は成績の欄までジャンプ(クリック)してください。

 

セゾン資産形成達人ファンドの特徴とは?

まずセゾン資産形成の達人ファンドの特徴についてお伝えしていきたいと思います。

名前が長いので今回の記事では「達人ファンド」と呼ばせていただきます。

 

ファンド・オブ・ファンズ形式で運用

達人ファンドは、達人ファンドが投資信託に分散投資をするという「ファンド・オブ・ファンズ形式」で運用しています。

 

セゾン資産形成の達人ファンドのファンド・オブ・ファンズ形式について

目論見書

 

じゃあ、直接投資家がファンドに投資すればいいのでは?

という疑問も起こりそうですが、達人ファンドが投資しているファンドは個人はアクセスすることができません。

アセマネ会社が機関投資家向けに組成しているファンドなのです。

 

組み入れている投資信託はアクティブ型

達人ファンドが組み入れている投資信託はアクティブ型の投資信託です。

アクティブ投信とインデックス投信

 

アクティブ型投信は対象とする指数に対してオーバーパフォームすることを目的とした投信です。

組み入れているファンドのリターンは以下の通りとなっています。なかなか優秀な成績を残していますね。

セゾン資産形成の達人ファンドの組み入れファンドの推移

一方の、セゾン投信のもう一つのシリーズであるセゾンバンガードグローバルバランスファンドはインデックス型の投資信託を組み入れています。

 

組入国別比率を世界株指数と比較

達人ファンドとMSCI All Country World Indexの国別構成比率の比較は以下となります。

達人ファンドは米国を少なく、一方相対的に割安な日本や欧州を多く組み入れていることが分かります。

 

セゾン資産形成の達人ファンドとMSCI All Country World Indexの国別構成比率の比較

達人ファンド MSCI All Country World Index
アメリカ 43.70% 62.10%
日本 12.70% 5.50%
フランス 5.40% 3.00%
中国 4.90% 3.10%
インド 4.10% 1.50%
スイス 3.80% 2.50%
オランダ 3.70% 1.10%
アイルランド 3.10% 0.20%
イギリス 3.00% 3.60%
デンマーク 2.60% 0.70%
その他 13.90% 16.70%

 

2024年10月末の地域別の構成比率を表したものが以下となります。

2024年10月末時点でのセゾン資産形成の達人ファンドの地域別構成比率

 

ちなみに2022年3末時点での構成比率は以下でした。米国の比率が下がっていますね。

これは米国の株価が今後不況を織り込み下落に転じる可能性を示唆しているものと思われます。

 

2022年3末時点でのセゾン資産形成の達人ファンドの地域別構成比率

2022年3末時点でのセゾン資産形成の達人ファンドの地域別構成比率

 

また、米国株が大きく上昇してバリュエーションが高くなっているため米国の比率を低くしていると推察できます。

 

比較的高い手数料水準

達人ファンドは購入手数料は0%ですが、信託報酬は年率1.35%±0.2%という比較的高い水準になります。

 セゾン資産形成の達人ファンドの手数料

 

なぜ±0.2%がつくのか疑問に思われた方もいらっしゃると思います。これはファンド・オブ・ファンズ形式であることが影響しています。

 

投資しているファンドも手数料が発生しているので、当然投資家としては二重で手数料を支払うことになっているのです。

金融庁の調査でもファンド・オブ・ファンズ形式のファンドの手数料は比較的高い水準となることが明らかになっています。

 

アクティブ型投信とパッシブ型投信の手数料率の推移

 

ファンド・オブ・ファンズ形式のファンドの平均という水準ですね。

ここから本題に移っていきます。

 

セゾン資産形成の達人ファンドの成績とは?利回りは?

では肝心な達人ファンドの成績について切り込んでいきたいと思います。

 

暴落を乗り越えながらも大きく基準価格を上げている(S&P500の20年平均とも比較)

達人ファンドはリーマンショックやチャイナショック、コロナショックで大きく基準価格を落としながらも基準価格を4倍に引き上げています。

セゾン資産形成の達人ファンドの基準価額の推移

 

短期的には大きな損失を被る可能性がありますが、長期でみると素晴らしい成績を残していますね。

16年で年率7〜8%程度であり、S&P500の過去20年間の平均リターン7.50%と同等です。ただ、最後の大きな上昇は円安がほとんどでしょうね。ファンドの実力が凄いとは言い難いです。

達人ファンドは全世界投資ファンドなので、本来はMSCI All Country Indexとの比較が最適になります。

 

セゾン資産形成の達人ファンドをS&P500指数や全世界株式と比較

達人ファンドが優秀な成績を残しているかは指数と比較しないといけません。

達人ファンドは世界の株価指数に投資しているので、世界株指数と比較する必要があります。比較に最適な指数はMSCI All Country Indexです。

また、半数近くを占める米国のS&P500指数との比較も行なっていきたいと思います。

 

以下がセゾン資産形成の達人ファンドとeMAXIS全世界株式とS&P500指数のチャートを比較したものです。

 

青:セゾン資産形成の達人ファンド
赤:S&P500指数(円建)
緑:eMAXIS全世界株式

セゾン資産形成の達人ファンドとS&P500指数とeMAXIS全世界株式インデックスの比較

 

殆ど同じ値動きとなっていますが、セゾン資産形成の達人ファンドは両者に負けています。

あとでお伝えしますが、この世界株と同じ動きをしているという事実が筆者のセゾン資産形成の達人ファンドが2025年以降の暗い見通しの基となっています。

そもそもインデックス投信に負けているファンドを買う理由がやはり見当たらないのですが・・・・。

 

「ひふみ投信」と比較

他の日本のアクティブファンドと比べてみましょう。日本で最も有名なアクティブ投信である「ひふみ投信」が運用を開始した時点からの比較は以下となります。

青:セゾン資産形成の達人ファンド
赤:ひふみ投信

ひふみ投信とセゾン資産形成の達人ファンドの10年比較

 

 

直近はやはりひふみ投信も運用が振るわず、達人ファンドに軍配が上がっています。

「ひふみ投信」は純資産残高が急騰したことでファンドマネージャーの藤野英人氏が得意とする超小型成長株投資ができなくなってしまいました。

結果的に近年は不調で、達人ファンドの成績に大きく劣後する成績となっています。

【不調のひふみ投信】やめたほうがいい?まだ上がる?直近の運用成績がひどいと評判の「ひふみプラス」の時代は終わった?今後の見通しと共に徹底評価!

 

実際、過去3年の「ひふみ投信」と「セゾン資産形成の達人ファンド」の成績は以下の通りとなります。

ひふみ投信とセゾン資産形成の達人ファンドの過去3年比較

 

圧倒的にセゾン資産形成の達人ファンドに対して「ひふみ投信」は劣後した成績となっています。

 

セゾン資産形成達人ファンドの今後の見通しと共に投資を辞めた理由を解説

これから投資する方にとって重要なのは今後です。今後について考察していきたいと思います。

 

概ね世界株と同様に増加することが見込まれる

先ほど見てきたように、今後もセゾン投信は世界株の平均的な成績と同等の成績となることが予想されます。

であるならば手数料が低い全世界株式で問題ないということになります。そして、全世界株式だけだと実質リターンを得られない可能性があります。

以下は全世界株式の60%をしめるS&P500指数をインフレによるリターンとインフレ以外の分にわけたものです。

S&P500指数は実質リターンが得られない期間がある

 

S&P500指数は実質リターンを得られない局面が長期間ある場合もあります。

実際、1967年から2009年まで実質リターンはありませんでした。つまりインフレ分だけリターンが得られているということですね。

実質的に豊かになるには実質リターンを獲得できる投資先に投資を行う必要があります。この点については後述しています。

 

2025年以降も長期にわたり全世界の株式が停滞する可能性がある

2025年以降、どのように世界の株式が推移していくのかということが非常に重要になってきます。

投資の本質は未来を見据えることにあります。過去の実績よりも、これからの展望がより重要な判断材料となります。

2024年12月時点での市場環境の主要な課題として、以下が挙げられます。

1. 米国経済の二重の課題
- 労働市場の悪化傾向(失業率4%超)が見られ、景気後退(リセッション)の懸念が強まっている
- インフレ率が依然として高止まりしている状況

2. 政治リスクの影響
新政権下(トランプ大統領)での経済政策が、以下の要因からインフレを加速させる可能性がある
- 移民政策の厳格化による労働供給の制限
- 法人税減税による需要刺激
- 関税強化による輸入価格上昇

トランプ大統領のインフレ政策

3. 「スタグフレーション」のリスク
景気停滞とインフレが同時に発生する「スタグフレーション」の可能性が高まっています。これは投資家にとって特に警戒すべき状況です。

 

また、現在の株式市場の特徴と懸念点は以下です。

1. AIブームの影響
- 一部のハイテク大型株の上昇が市場全体を押し上げている
- しかし、この上昇は市場全体に広がっていない点が懸念材料
- 一部の銘柄のみが牽引する相場は、一般的にリスクが高いとされている

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2. 歴史からの教訓
1970年代のインフレ期との類似点:
- 複数回にわたるインフレの波
- インフレの粘着性(一度発生すると収束が困難)
- 当時の株価は長期的に横ばいか、場合によっては50%程度の下落を記録

1970年代のSP500指数の推移

1970年代のSP500指数の推移

 

また、日本の投資家にとっては為替市場の動向は非常に重要です。円安で投資リターンが+40%以上も伸びていた場合が多く、今後はこの巻き戻しが起こるかもしれないのです。

今後の為替動向に影響を与える要因:
1. 米国側の要因
- 景気後退懸念による金利低下の可能性
- 金融緩和への転換期待

2. 日本側の要因
- 金融引き締めサイクルへの移行の兆し
- 日米金利差の縮小可能性

今後のドル円の方向性については、円高方向への調整が予想され、2022年以降の円安による恩恵が減少する可能性が高いです。

 

総合的な2024年12月時点での投資リスクは以下の要因から相対的に高いと考えられます。
- スタグフレーションの可能性
- 為替変動リスク
- 市場の偏り(一部銘柄への過度な依存)

このような市場環境下では、グローバル株式に連動するファンドへの投資には慎重な判断が求められます。特に2024年末からの新規投資については、リスク管理の観点から慎重に検討する必要があるでしょう。

 

・・・色々言っていますが、とにかく自分で運用するというのは本当に難しいのです。それは投資信託でも同様です。

ヘッジファンドなど市場の影響を受けずに安定したリターンを提供できるプロの投資家に運用を任せる人が多いのは、こういった背景があります。

 

 

2022年以降に進んだ円安が2024年以降は日本人投資家にとって逆風に

上記でも為替については触れましたが、さらに詳しく解説します。

2022年は世界中の株価が下落しましたが、日本人投資家は見た目上は殆ど被弾せずに下落相場を乗り切れました。

理由は簡単です。2022年の年初に115円だったドル円が160円まで上昇したためです。

ドル円はほぼほぼ日米金利差に連動した動きとなっています。

ドル円は日米金利差に連動

円安になると世界の株式に投資しているセゾン投信の基準価額を引き上げます。2022年は20%の円安をもってしても、運用成績は尚も10%近いマイナスだったのです。

円安がなければ30%のマイナスを被弾していたことになります。しかし、このツケは将来に払わされます。

 

2022年は日米の金利差によってドル円レートは上昇していきました。しかし、2024年以降に景気後退になると当然米国の金利は低下するので日米金利差は縮小していきます。

これは将来的に利下げをする未来が不況到来と同時に来ることから決定事項に近いです。(タイミングは少しずれるかもしれませんが)結果としてドル円も下落していくことが想定されます。

植田日銀総裁のもと金融緩和が見直され日本側の金利が上昇するのも円高要因となります。

 

ここからセゾン投信に投資をするのは、景気後退とインフレ2波による株価の下落と、ドル円の下落を覚悟しないといけない局面にきているのです。

そのため筆者は株式相場への直接投資を見送っています。

 

安定的な値動きで年率10%以上で運用する方法

達人ファンドは有力な選択肢ではありますが、世の中には更によい金融商品もあります。

それがヘッジファンドです。ヘッジファンドは暴落局面でも収益を出すことが求められる絶対収益型のファンド形態です。

 

ヘッジファンドは以下の通り、長期的に米国株指数や世界株指数を大幅にアウトパフォームしています。

更にリスク低く安定的な値動きとなっています。

市場環境に影響をうけず高いリターンを叩きだすヘッジファンド

 

 

 

掲示板やウェブ上の評判や口コミ、デメリットややめた理由も

では掲示板やウェブ上での評判をみていきたいと思います。以下のコメントは非常に鋭いですね。次の項目で詳しくお伝えしたいと思います。

ボラティリティが高いというデメリットはまさにインデックスファンドとも同様ですね。

 

Yahoo掲示板①

「達人」は、ややボラティリティが高いですね。
ツボにハマると大きく上昇するが、その代わり、伸び過ぎた分 金利上昇局面で下げが厳しい。

上昇局面で、順張りとばかりに調子に乗って積立額を増やし過ぎると、いつの間にか平均取得単価もぐいぐい上がっていて調整局面で火傷します。

上昇局面で森林限界を過ぎたら積立を一時停止するか少なくとも金額を減速するのが利口と思います。

 

Yahoo掲示板②

7年前から買っているが、現在リターン60%前後で推移してます。そのかわり乱高下は激しい。一時期20%まで落ちたことがある(それでもリターン20%なら御の字)。この成績でも10年後はインデックスに負けるのだろうか?
ちなみに5年前に始めたsp500のインデックスは16%リターン

Yahoo掲示板③

信託報酬も高すぎだしここ買うメリットを教えてください

Yahoo掲示板④

セゾンは好きですが、ここを半分解約して、その分GBファンドを増やしました。安定感の差を感じて。

 

以下のコメントはひどいですね。郵便局員が確実に儲かると仄めかしているとすると大問題です。

 

Yahoo掲示板⑤

資産形成の初心者の頃、郵便局でこれを勧められた
アクティブとインデックスの違いすらわからなかったけど、販売する側は売りたかったんだろう
手数料も安いし確実に貯まりますよって言われた

面倒だからしなかったが、これくらいのリターンならしないで正解だった

 

金融機関の窓口などで投資信託の販売が行われたりしますが、商品の良し悪しより、販売員はノルマに追われているので、説明不足だったりがありそうです。

筆者の知り合いの社長さんも銀行借り入れで審査を通してもらうために仕方なくノルマ達成の手助けで投信を買ってあげているという話を聞いたことがあります。投信購入でリターン以外にもメリットがあるのなら、目を瞑れるのかもしれませんね・・・。

それでは今後の見通しについてみていきたいと思います。

 

まとめ

セゾン資産形成ファンドについてお伝えしてきました。纏めると以下となります。

  • セゾン資産形成の達人ファンドはファンド・オブ・ファンズ方式での運用、アクティブ運用を採用している。
  • 比較的高めの手数料水準(年率1.35%±0.2%)
  • 運用の特徴として、世界株式インデックスと比較して米国株比率を抑え、日欧の比率を高めに設定
  • 長期的には良好なパフォーマンスを示すが、世界株式インデックスと同様の値動き
  • 今後の見通しは、スタグフレーションのリスク、円高への転換可能性、AIブーム主導の一時的な相場上昇への懸念、市場環境の変化による投資リスクは高まっている。

終わりに:下落を回避して安定的に高い利回りで資産形成する方法

 

 

「資産を他の人よりも大きく増やすためには?」

一部の人は、上場小型ベンチャー株に全力投資し、株価の急騰を狙ったり、信用取引でレバレッジをかけることを考えるかもしれません。

あるいは、仮想通貨の草コインに投資して、一発逆転を夢見ることもあるでしょう。しかし、こうしたアプローチでは一生資産を増やすことはできません。

 

むしろ、大きな損失を被るリスクが高いのです。短期的な大儲けを狙うことは、同時に大きな損失を招く可能性があり、それは投資というよりもギャンブルに近いものです。

資産運用において最も重要なのは、「小さなリターンでも確実にプラスを積み重ねる」ことです。時間をかけて複利の力を活かすことが、安定した資産増加の鍵となります。

世界一の投資家と称されるウォーレン・バフェット氏も、以下の2つのルールを最も重要としています。

 

ルール1. 絶対にお金を損しないこと。

ルール2. 絶対にルール1を忘れないこと。

 

「損をしない」「プラスリターンを確実に積み重ねる」という考え方が、資産運用の基本です。「クラシック」かつ「質実剛健」な資産運用を心掛けましょう。

私も長年にわたり資産運用を続けてきましたが、この哲学に基づいた投資を実践するようになってから、資産の増加スピードは驚くべきものとなりました。

このアプローチを採用しているファンドをいくつかまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。

 

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