【最新決算速報!】すかいらーくホールディングス(3197)の今後の株価は!?2024年度第3四半期・有価証券報告書(IR /決算資料)から分析!

決算分析

【最新決算速報!】すかいらーくホールディングス(3197)の今後の株価は!?2024年度第3四半期・有価証券報告書(IR /決算資料)から分析!

すかいらーくグループといえばガストやバーミヤンなど、外食チェーンの王様企業というイメージが筆者は強く、実際にそうだからこそ投資ファンドが目をつけ買収など繰り返されているのだと思います。

しかし、経営陣が刷新されても変わらず好業績を上げているのは本当にすごいオペレーションを確立していますよね。

そんなすかいらーくHDですが、2024年11月13日に決算を発表しました。

 

注目している株主や投資家も多いと思いますので、今回は細かく同社決算を確認していきたいと思います。

今後の株価についても予想していきます。

 

すかいらーくホールディングスとはどんな企業?

冒頭ですかいらーくは外食産業の王様と述べましたが、実際にその通りで、以下がすかいらーくが営業しているブランドです。

店名別店舗数

店名 店舗数
ガスト 1,246
バーミヤン 362
しゃぶ葉 295
夢庵 171
ジョナサン 163
フロプレステージュ 122
ステーキガスト 82
むさしの森珈琲 82
資さんうどん 72
から好し 56
ブッフェレストラン 48
じゅうじゅうカルビ 43
トマト&オニオン 42
藍屋 38
とんから亭 33
chawan 23
La Ohana 23
魚屋路 21
桃菜 13
グラッチェガーデンズ 11
八郎そば 2
ペルティカ 1

 

合計で3000店舗くらいあります。1店舗で月に50万円の利益だとしても、15億円出るということですね。年間で180億円です。

飲食店の平均営業利益率は良くても10%ですので、180億円の利益ということは、売上は1800億円くらいかな、と店舗数だけでなんとなく規模感がわかりますよね。

しかし、これは平均的飲食店の考え方で、長年生き残っているすかいらーくには当てはまりません。

それでは決算内容を見ていきましょう。

 

決算速報!2024年12月期(第3四半期)

決算結果の概要は以下の通りです。

(億円) 2024年度上半期実績 前年同期比 前年同期比(%)
売上高 1914 216 12.7%
事業利益 119 63 113%
営業利益 120 91 320.1%
当期利益 63 57 1047.1%

 

先ほど店舗数だけで売上や利益を軽くあたりをつけましたが、すかいらーくは上半期だけで1900億円を超える売上を叩き出しています。平均を上回っていくオペレーションを確立していますね。

前年同期比12%なので、業績の伸びとしては寂しいものがあります。

 

ただし、利益は63億円となっており、これが昨年の10倍以上です。利益率は3%台となっており、実は利益体質ではないことがわかりますね。

不況が来れば吹っ飛びそうな業態ですが、それを見越しても積極的に出店を増やしていっています。

通期修正ガイダンスは以下の通りです。

(億円) 2024年度通期修正ガイダンス 前年同期比 前年同期比(%)
売上高 3950 402 11.30%
事業利益 250 86 52.3%
営業利益 240 123 105.3%
当期利益 130 82 171.9%

 

利益に関しては凄まじい上方修正ですよね。通期で130億円の利益を出します。

すかいらーくのこの利益の源泉は店舗経営だけではなく、デリバリーなどもあります。

ただ、店舗経営の利益率増加がほとんどではあります。

2024年上半期 営業利益増減分析

 

既存店の経営努力が利益増加に繋がったことがわかります。

2024年上半期 要約損益計算書

 

その他営業収益と費用のみで+30億近くになっていますね。

そもそもですが、昨年まで営業利益率が1.7%、税後の利益が0.3%と再投資できないような企業といえます。

これは投資家としては期待しにくいですよね。過去の利益推移も見てみましょう。

(単位:100万円)

決算期

売上高

(前期比)

営業利益

(前期比)

経常利益

(前期比)

当期利益

(前期比)

2013/12 I 332,484 0.80% 22,563 30.10% 11,800 38.90% 7,087 1.20%
2014/12 I 340,002 2.30% 21,642 -4.10% 16,767 42.10% 9,469 33.60%
2015/12 I 351,146 3.30% 27,806 28.50% 24,717 47.40% 15,109 59.60%
2016/12 I 354,513 1.00% 31,249 12.40% 28,952 17.10% 18,213 20.50%
2017/12 I 359,445 1.40% 28,103 -10.10% 25,515 -11.90% 16,926 -7.10%
2018/12 I 366,360 1.90% 22,857 -18.70% 18,596 -27.10% 11,438 -32.40%
2019/12 I 375,394 2.50% 20,562 -10.00% 16,729 -10.00% 9,487 -17.10%
2020/12 I 288,434 -23.20% -23,031 -212.00% -26,433 -258.00% -17,214 -281.40%
2021/12 I 264,570 -8.30% 18,213 179.10% 14,325 154.20% 8,742 150.80%
2022/12 I 303,705 14.80% -5,575 -130.60% -8,225 -157.40% -6,371 -172.90%
2023/12 I 354,831 16.80% 11,688 309.70% 8,691 205.70% 4,781 175.00%
2024/12予 I 395,000 11.30% 24,000 105.30% 21,000 141.60% 13,000 171.90%

 

利益率に関しては以下です。大昔から利益率は低いですが、これが飲食店の限界のような気もします。

決算期

売上高

当期利益

利益率
2013/12 I 332,484 7,087 2%
2014/12 I 340,002 9,469 3%
2015/12 I 351,146 15,109 4%
2016/12 I 354,513 18,213 5%
2017/12 I 359,445 16,926 5%
2018/12 I 366,360 11,438 3%
2019/12 I 375,394 9,487 3%
2020/12 I 288,434 -17,214 -6%
2021/12 I 264,570 8,742 3%
2022/12 I 303,705 -6,371 -2%
2023/12 I 354,831 4,781 1%
2024/12予 I 395,000 13,000 3%

 

外食産業の先頭を走っているような企業でもここまで利益率が厳しいと、投資家としては、この規模の利益と利益率ではあまり大事な資金を投じたいとは思いません。

不況が来た瞬間に利益が吹っ飛びますし、固定費がどしどしダメージを負わせてきますからね。

 

株価推移はどうなっているのでしょうか。2014年上場から10年でようやく株価は2倍です。亀足ですね。

すかいらーくホールディングス株価

 

2011年以降は日本はアベノミクスにて、株式と不動産はべらぼうに上がった時代でした。

国策ですからね。しかし、すかいらーくの株価というと、上場後2倍にしかなっていません。コロナショックは外食産業にはインパクトがありましたが、V字回復した業界ですから言い訳はできません。

 

現在は海外のインフレや経済の観光立国として確立された日本の需要の強さから売上高が伸び、株価が上昇しています。

過去の株価を見るとやはり2016年のチャイナショックやコロナショック(こちらは特に)で敏感に株価が下落しています。

昨今の米国のインフレの勢いの衰えなどをみても、株価的には今が旬で、近々不況に暗転した際には下に吹っ飛ぶ可能性は存分に高いと思われます。

 

すかいらーくの株主優待

すかいらーくの株主優待は以下の通りです。保有株式数に応じて優待カードがもらえます。

すかいらーく株主様ご優待カード

保有株式数 贈呈金額
年間合計 6月末日基準日 12月末日基準日
(9月発送) (3月発送)
100株~299株 4,000円 2,000円カード×1枚 2,000円カード×1枚
(2,000円) (2,000円)
300株~499株 10,000円 5,000円カード×1枚 5,000円カード×1枚
(5,000円) (5,000円)
500株~999株 16,000円 3,000円カード×1枚 3,000円カード×1枚
5,000円カード×1枚 5,000円カード×1枚
(8,000円) (8,000円)
1,000株~ 34,000円 2,000円カード×1枚 2,000円カード×1枚
5,000円カード×3枚 5,000円カード×3枚
(17,000円) (17,000円)

 

1000株を持ってて年間で34000円ということは、現在の株価は2368円なので、2368千円を投資して、1.4%のリターンをもらっているという形ですね。

非常に低いです。

ただ、「株主優待カードを使うのがなんとなく嬉しい」という人はプライスレスな価値があるのかもしれません。

現金が好きであれば優待目的ですかいらーくへの投資は行わないでしょう。

 

今後の株価予想・買い時?売り時?

日経暴落時にすかいらーくは実に28%も株価が下落しましたが、この動きは次なる米国発の不況到来時の前哨戦になったと筆者は考えています。

すかいらーく株価暴落

今後の景気動向は三菱商事の決算速報を出した時などに説明済みなのでそちらに譲りますが、利益体質的にも景気依存な売上や株価の伸びを考えても、今は良い利確時期なのではないかと考えています。

 

 

終わりに:下落を回避して安定的に高い利回りで資産形成する方法

 

 

「資産を他の人よりも大きく増やすためには?」

一部の人は、上場小型ベンチャー株に全力投資し、株価の急騰を狙ったり、信用取引でレバレッジをかけることを考えるかもしれません。

あるいは、仮想通貨の草コインに投資して、一発逆転を夢見ることもあるでしょう。しかし、こうしたアプローチでは一生資産を増やすことはできません。

 

むしろ、大きな損失を被るリスクが高いのです。短期的な大儲けを狙うことは、同時に大きな損失を招く可能性があり、それは投資というよりもギャンブルに近いものです。

資産運用において最も重要なのは、「小さなリターンでも確実にプラスを積み重ねる」ことです。時間をかけて複利の力を活かすことが、安定した資産増加の鍵となります。

世界一の投資家と称されるウォーレン・バフェット氏も、以下の2つのルールを最も重要としています。

 

ルール1. 絶対にお金を損しないこと。

ルール2. 絶対にルール1を忘れないこと。

 

「損をしない」「プラスリターンを確実に積み重ねる」という考え方が、資産運用の基本です。「クラシック」かつ「質実剛健」な資産運用を心掛けましょう。

私も長年にわたり資産運用を続けてきましたが、この哲学に基づいた投資を実践するようになってから、資産の増加スピードは驚くべきものとなりました。

このアプローチを採用しているファンドをいくつかまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。

 

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